オレンジの涙
ネックレス
雄大から渡されたものは、高そうなリングの付いていたネックレスだった。
しかも「絶対になくしたり盗られたり人に見せんじゃねーぞ!!」だってさ!!それならあたしが持っていないほうがいいに決まってる。なのに「持っておいてほしい」なんて言って去って行った。
「ったく…身につけてばれない様にしろなんて勝手過ぎる!!」
部屋でひと暴れしたあとに、小さなイタリアで買った箱にそっとしまった。
この事件が数年後のあたしの幸せを壊される原因になるだなんて、今のあたしには全く考えられないものだった。
「ごーはんご飯♪」
あたしの至福のひと時だ!!
「さくらってよく食べるよねぇ…太らないのが不思議なくらいだよ」
「ほんとねぇ…さくらちゃんくらいの頃はママもよく食べてたわぁ…」
「…ふぇ??」
毎日が楽しかった。もうすぐで、またパパが帰ってくるのだとか!!ママもあたしも楽しみにしているのだが、ツナだけは不満げな顔をしていた。
しかも手紙の最後には、ディーノさんとバジルくんも来るって!!
まだ三年経っても、ディーノさんの事が諦められない。
「お帰りなさいあなた」
「ただいま奈々ちゃん♪愛娘!!」
大きい腕であたしとママはパパに、包み込まれるように抱きしめられた。
「ディーノさんも久しぶりです」
「あぁ……また髪の毛が伸びたんだなぁ」
そう言ってあたしの髪をすくってそっと髪にキスをした。
伸ばし始めてもう三年近く……。時々毛先を切ったりするけど、髪は腰の近くまで伸びていた。
それはね…あなたを思っている長さを表わしてるんだよ??
ねぇ気づいてよ??
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