オレンジの涙 悩み 「見るか見らないかは自由よ」 ビヤンキはあたしの頭を撫でて「いつでも相談に乗るわ」と言って部屋から出て行った。 「…どうしよう」 そう言って、椅子に座りピラピラと頭の上で封筒をちらつかせてみた。 誰があたしに宛てた手紙かは分かっている。 だからこそ悩んでしまう。 「とりあえず……」 まだ開かないでおこう。 今のあたしの結論…。 カタン―――。 誰にも知られないように、机の中にそっと忍ばせておいた。 でもこの結論が予期せぬ事態を招いてしまうことに、気づかなかったんだ。 BackNext [戻る] |