第2章第6話:過去 Spieldose第2章第6話 「過去」 リ…リート・シュメターリング タ…タクト・オトハ ア…アスカ・クラフト モ…モリスン・クラフト ミ…ミズキ・オトハ レ…レンバ・オトハ クレ…クレア 母…リートの母親 ?…??? 〜ベラン・宿屋〜 リ「………(寝息」 ア「…よく眠ってるな」 クレ「さっきの反動じゃないかな。しばらくは、目を覚ませないかもしれないね」 タ「…クレアさん、リートのあの力は一体……」 クレ「少し、昔話をしようか」 ア「コイツの、か?」 クレ「…むかーしむかし、といっても10年前なんだけど。とある村に、とある家族が幸せに暮らしてたんだ」 クレ「その家族には1人の女の子がいてね。兄弟もいないし、父親も仕事であまり家にはいなかったけど…世界は平和だった。あの時までは」 タ「あの時…?」 クレ「その子の母親がね、特別な力を持っていたんだ。彼女はそれを隠して生活してたんだけど…誰かが密告したんじゃないかな。それから村人たちは女を魔女と呼び、恐れ、憎み、…消すことを決めた」 ア「…ひでぇな。同じ、人間じゃねぇか…!」 クレ「当時は今と違って不思議な力を持つ人が少なかったんだよ。それゆえにその子の母親は…火炙りとなった」 タ「そんな…」 クレ「そして村人たちは更なる過ちを犯すことになる。…娘まで」 ア『…待てよ、こんな話…どこかで……』 モ『――私は、守れなかった…!アスカ…守れなかったんだよッ!!』 クレ「以上で昔話はおしまい♪悲しい…物語でしょ?」 タ「リートに、そんなことがあったなんて…」 クレ「…あの力が効かないタクトくん、そして…アスカくん。キミたちがこうしてリートと巡り合ったのは、運命かもしれないね…」 ア「運命、か。ふっ、皮肉なものだぜ」 クレ「2人とも…リートのこと、よろしくね。ボクにできるのはここまでみたい」 タ「!もちろんです」 ア「…仕方ねぇな。ほどほどに面倒みてやるよ」 クレ『リート…君と離れてからしばらく経つけど、しっかり前を向いて、歩けてるんだね。素敵な仲間と一緒に―――』 母『リート――、リート…』 リ『だれ、だろう…懐かしい声――』 母『リート、ほらこっちよ』 ?『リート…転ばないように気を付けるんだぞ』 リ『…お母さん、お父さん……?』 ?『しばらく家には帰れないが、リート。母さんのこと任せたからな』 母『まぁ!まるで私の方が子供みたいな言いぐさですこと』 リ『これは、私の記憶なの…?』 母『ま、待ってください!この子は…この子は何の関係もないんです!!』 リ(子)『お、おかあさん…』 母『…リート……守ってあげられなくて、ごめんね――』 リ(子)『あいつらが…あいつらがおかあさんを……うああああああ!!!』 タ「リート!!」 リ「!…あ、タクト……」 タ「大丈夫?寝てた方がいいとは思ったんだけど、うなされてたから リ「そう…ありがと!ボクはもう平気だよ♪」 タ「本当に?…うん、熱は無いみたいだけど」 リ「わわっ近いよタクト!」 タ「!ご、ごめん。…でも無理は禁物だよ?」 リ「はいはーい。分かってますってば」 タ「…そうだ。ミズキから通信が入ってるんだけど、リート出れるかな?」 リ「ミスティから?何だろ…うん、ボクも行くよ」 〜ブルーミスト・スイス支部〜 ミ『マドルについての報告、確かに受け取りましたわ。ファリン・ベトリアルに続いて幹部2人目、さすがお兄様ですわね』 タ「…その笑顔が逆に怖いよミズキ…」 ミ『すぐにでも次の任務へ就いて頂きたいのですけれど…1つお聞きしたいことがあります』 リ「聞きたいこと?」 ア「もちろんオレについて、だな」 ミ『分かっていらっしゃるのなら話は早いですわ……お兄様』 ア「!…どういうつもりだ?」 タ「悪く思わないでねアスカ。そうされる理由は分かってるはずだよ。…君はシュヴィンデルのボス、モリスン・クラフトの息子だ。僕らの敵の、ね」 リ「そっか…そういえばそうだった!すっかり忘れてたよボク」 ア「オマエぇえ…空気読め空気を!」 リ「残念でしたー!空気は読むんじゃなくて吸うものですーっ」 ア「ちげーよ!雰囲気を察しろっつってんだこのバカ!」 リ「バカー?…ふーん。アスカはそんなにボクの実験台になりたいんだ?」 ア「な!?て、てめえ卑怯だぞ!その手にある拘束具は何だッ」 リ「逃がさないよーっ☆」 タ「……はぁ」 ミ『緊張感のない方々ですこと』 タ「でもまぁ、僕ららしくはあるかな」 ミ『どういうことですの?』 タ「ミズキ、僕はアスカを信じていいと思う」 ミ『その根拠は、』 タ「報告した通りだよ。理由は分からないけどアスカのリートを守りたい気持ちに嘘はない、何でか分からないけど心からそう思うんだ」 ミ『……まったく、お兄様がそこまでおっしゃるのなら、仕方ありませんわね。…アスカさん?』 ア「…はぁ、はぁ…な、なんだ…?」 ミ『シュヴィンデルであった貴方がブルーミストに荷担するその意味、くれぐれもお忘れになりませんよう』 ア「…分かった。肝に命じとくよ」 タ「改めてよろしくね、アスカ」 ア「!あぁ」 リ「なーんか知らない間に話進んでるしぃー」 ミ『では、早速ですけれど新しい任務に就いて頂きますわ。場所はネオ=ブロンクス。そこで、あの方のサポートに入って頂きます』 ア「ネオ=ブロンクス…アメリカか」 リ「ねー、ボクお腹すいたー」 タ「あの方って、もしかして…!」 〜ネオ=ブロンクス〜 レ「ふぁーあ、暇だなー。…たっくん捕まえて遊びたい」 To be continued... |