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< ホスト >




夢を売るのが仕事なんだよ。

愛を囁くのが仕事なんだ。




なんてステキな仕事なんだろ。




――――ねぇ、そう思わない?






この学園にいるNo.1ホストは残念ながら子羊のコールには応えない。

―――指名も多すぎれば出向くのも一苦労。

だから、"神崎卓"に会いたいならば自分で出向くのがこの学園の暗黙知。






「――――付き合ってもらえませんか?」

放課後の人通りの多い廊下で子羊はNo.1ホストにそう願い出る。




――――トレードマークの茶髪を揺らして色男はただニヤリと笑う。


そして、学園の有名人を前に臆することのない子羊を笑った瞳が測りにかけた。




―――ねぇ、同じ毎日なんてつまらない。


繰り返されるだけの出来事には反吐出る。



ねぇ、だから。

刺激をちょうだい。


もっともっと。

刺激をちょうだい。





―――この哀れなひねくれ者のためにさ。





だから。




―――形の良いその唇は弧を描いて。


甘く甘く残酷な夢物語を囁くんだ。








「――――いいよ」





―――一時の甘い幻想を君に教えてあげる。





ねぇ、ホストってね。


夢を売るのが仕事なんだよ。

愛を囁くのが仕事なんだ。



―――ねぇ。

すごくステキでしょ?





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