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< 地位の証 >
―――街中を見下ろす高層ビル群。
殊更、繁華街に面した大通りに、その影を指す建物は街の中でももっとも高く、その地位の証を象徴していた。
暗闇に浮かぶ箱は、深夜だというのにまだまだ光が絶えず、出入り口には夜の集い人が居場所を求めて彷徨っている。
―――ビルの最上階。
そこには開かずの階が存在した。
地下の直通エレベーターか、あるいは警備の厳しい専用エレベーターでのみ行き着くことの出来るそこは、数人の許された者たち以外にはそのドアを開けることはない。
しかし今、まさにその重い扉は開かれようとしていた。
―――たった1人、唯一無二の城の主によって。
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