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< 危険な男 >
―――“危険な男”だと一目でわかった。
肩にかかるパーマがかったその髪は、まるで闇を吸い込んだように黒々とトグロを巻いていっそ見る者を石化させるメデューサを彷彿とさせた。
端整だが荒削りな顔には、何より猛禽類のような鋭い瞳が警戒よろしく獲物を監視している。
――――しなやかな肉体をゆっくりと起こす姿はまるで森の覇者、虎のようだった。
一言で言えば、そう・・・・“恐怖”だった。
近づく恐怖に背筋が震えた。体中の毛が逆立った。
――――そうして獲物を捕まえた男は酷薄な唇の端を持ち上げて言い放つのだ。
「――――――俺を買いな」
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