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< 問いかけ >




―――何がいけなかったのだろうか。

紙屋宗助(かみやそうすけ)は、無言で目前の光景を見詰めた。



幼馴染がいた。

小さくて綺麗なその人を守るのが、宗助の使命だった。頭がよくしっかり者で、けれど気を許した相手にしか弱音を言えない。

だから。

自分は一生そんな彼の良き理解者でいようと思っていた。



しかし、訪れた『思春期』とは残酷なものだった。

――大切な幼馴染は気付けば彼の元を去っていたのだから。



「雄大。さっきぶりですね」

転校生に甘ったるい笑顔を向ける王子様。それを見て隣でニヤリと不敵に笑う神埼卓(かんざきすぐる)を、宗助は目に捉えた。

高校から親しくなった生徒会会計の友人は、まるで千里眼のように、斜に構えたその視線の先で何もかもを見透している。

ホストのような容姿でふざけた言葉を吐いて周りを錯乱させる癖に、その実、自分は傍観者の位置から一歩も動かない。



そんな悪友の視線が問う。

――さて。お前はどうするのか、と。



本当に何がどうしてこうなったのか。

宗助は小さくため息を付いて、今やぐっと成長し『王子様』になった幼馴染を盗み見た。



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あきゅろす。
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