[携帯モード] [URL送信]

Main
< The key >



『バチンッ』と音を立てて、校庭を照らしていた照明を落とすと、隆也はずり落ちたドラムカンバックをもう一度肩にかけた。部室と倉庫、トレーニングルームを閉め歩き、鍵束をバックに詰め込む。

不意に暗くなった闇の中、校舎を見上げると、電気がついているのはとある校舎の一角だけである。

―――時刻は、pm9:00。

職員室の教師すら帰り、もっぱら校舎の警備システムが働いている時間である。

隆也は小さくため息をつき、もう一度明かりのついている部屋を見上げた。彼はこれから、『あそこ』へ行かねばならないのである。

それは彼の望む、望まざる、に関係なく・・・・・。

―――肩に担いだバックの中で、隆也の心のように鍵束が小さく鳴った。





[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!