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< The key >
『バチンッ』と音を立てて、校庭を照らしていた照明を落とすと、隆也はずり落ちたドラムカンバックをもう一度肩にかけた。部室と倉庫、トレーニングルームを閉め歩き、鍵束をバックに詰め込む。
不意に暗くなった闇の中、校舎を見上げると、電気がついているのはとある校舎の一角だけである。
―――時刻は、pm9:00。
職員室の教師すら帰り、もっぱら校舎の警備システムが働いている時間である。
隆也は小さくため息をつき、もう一度明かりのついている部屋を見上げた。彼はこれから、『あそこ』へ行かねばならないのである。
それは彼の望む、望まざる、に関係なく・・・・・。
―――肩に担いだバックの中で、隆也の心のように鍵束が小さく鳴った。
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