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< 青春の花 >










ねぇ、世界は回る。

ぐるぐる回る。




冬が来た後には春がくるように。

流れ出た水が止まらないように。







枯れた花の後にはね。








――――新しい花が咲くんだよ。










『なぁ、聞いたかよ、マジでびっくりだぜ!!』

『ああ、ほんとびっくり。オマエのその顔の配置』

『そのまま死ねよ。・・・ったく。あの世界の掃き溜、Dクラスの不良どもが、噂の新任教師の鶴の一声で真面目に授業出てるらしいぜ?』

『へー、何々あのセンセ、世直し隊志望?』

『さぁね。俺が知るかよっ。ま、とりあえず昼間っからびくついて廊下歩く必要ねぇってことだろ』

『うわぁ、助かるなーそれ。ってか、それならいっそ、会長にも魔法かけてほしいね。D組以上じゃん、アレ。HP9999あっても倒せそうにねぇーし』

『おい、オマエ今死亡フラグ立ったぞ。それ以上近寄るな。俺はまだ死にたくねぇからな』

『――――なんだ。知らなかったよ。オマエが意外と俺にラブなの』

『・・・・・いや、全然』

『――――そこ、間あけたら意味ねぇーし』

『・・・・・・・』










―――――カチン。



じりじりと燃える煙草は独特の臭いを発して、ゆらりとその紫煙をあげる。









「――――――"青春は春に似ている"・・・」





――――お気に入りの非常階段の踊り場で、青空に背を向けるように手すりに背を預けた神崎卓は耳に届く生徒達の声に目を細めた。










ねぇ、世界は回る。


ぐるぐる回る。










―――――だから、必ず春はやってくる。










「――――――Spring has sprung.春の到来ってね」








フ――――っ。








―――――紫煙を吐き出した神崎卓はニヤリと笑った。









『――――――っ、っだってよ、・・俺・・おまえのことっ・・・』








サァァァァ。





―――――風に揺れる木の葉の音に交って青春を謳歌する生徒たちの声が聞こえていた。




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あきゅろす。
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