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< ムカツクあいつ >
――――キャラ得ってのはどこにだってあるもんさ。
なぁ、オマエがどんな悪さをしようが。
どんな失敗を重ねぇようが。
―――――人の輪はいつだってオマエを囲ってる。
―――その笑顔一つで。
誰もがオマエを許し、オマエに焦がれ、オマエを愛す。
痛々しいほどピアスの数が多かろうと。
口走る言葉が汚なかろうと。
揺れる髪が人工色に染まっていようと。
だらしなく服を乱そうと。
―――――だが、喜べよ。
この世界で俺だけは唯一オマエが嫌いなのさ。
――――それこそ、オマエという存在を視界に入れたくないほどにな。
オマエのいる場所はあまりに遠く明るい。
だから、"焦がれてる"ってその言葉はあっさりと変換される。
―――――『ムカツクあいつ』
オマエの隣に行けない俺の唯一の逃げ場なのさ。
End.
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