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< セクシーマン >
サイド甲斐:
『甲斐さ〜ん、こっちっす!こっち向いてくださいよ〜』
『――――ご指名だぞ甲斐。馬鹿がカメラ向けてスタンバってるぜ?』
――――はっ、遊んで欲しけりゃ性別変えて出直しな。
そうすりゃ優しくベットまで完璧なエスコートをしてやるさ。
―――それこそお姫様抱っこで"お優しく"な。
だが、野郎相手じゃ悪のり止まり。
その後を楽しむ甲斐もない。
唯一の例外にゃ楽しむ余裕も見いだせない。
―――――まぁ、暇を持て余すアイツらとちょっとした"遊び"が関の山ってわけだ。
『ギャー―!!流石甲斐さん』
『野郎相手にべロチューカましますか、普通!!』
『俺の唇が〜っ、俺の唇が〜っ、犯された――っ!!』
――――ガタガタ喚くな、耳汚し。
女が蕩ける唇はそう安くはねぇんだぜ?
俺の優しい舌技講座。
―――少しは感謝の意を表わせよ。
―――なぁ、伸しかかる沈黙よりはアイツらの馬鹿騒ぎがちょうどいい。
頭をすっかりカラにしてくだらない遊びに熱くなるフリをする。
『バキッ!!!ギャー―――!カメラがっ!!ぐはっ!!・・・』
―――だが、まぁ、それも儚い命ってわけさ。
『―――――勘に触る声出すんじゃねぇ』
なぁ、陣よ。
せっかくの退屈凌ぎのショータイム。
――――オマエが不機嫌丸出しに罵れば、静けさどころか寒気が襲う。
不気味に静まるアイツらにもうお楽しみは望めない。
―――はっ、俺の唯一のオモチャを横からかっ攫おうってわけか?
なぁ、陣、オマエ。
――――この落とし前どうつける?
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サイド陣:
―――――どいつもこいつも馬鹿面晒してやることは際どい一線の悪のり祭り。
はっ、そう恨めしそうに睨らむなよ。
たかが馬鹿一匹ぶっ飛ばしてたってだけだろうが。
――――何しろ面白いものに目のないオマエだ。
馬鹿どもと悪のりカマしてどこまでも、どキツイ遊びで暇つぶし。
行きつくとこまで行きはしねぇが、その行動は十分常軌を逸してる。
―――――ま、双方納得づくの茶番劇さ。
――――だが、馬鹿野郎相手に躊躇なく、俺の目の前でべロチューカます、なぁ、その了見ってのは一体何だ?
5年来の俺との罰ゲームには周囲が気づくほどの渋面で、あの馬鹿野郎相手には嬉々として舌まで絡めてサービスってわけか。
『――――陣、俺の娯楽を奪うなよ』
はっ、笑せるな、甲斐。
――――生憎行き過ぎたオマエの"お遊び"は俺の怒りを踏みつけにしてるんだ。
土足で踏みつけるその足に俺が黙って口つぐんでるとでも思うのか?
――――はっ、恨みごとを言いたいのはこっちの方さ。
もっとも、オマエがココで一発ぶち込まれたいって言
うなら話は別だ。
――――まぁ、到底一発で治まるはずはないがな。
だから、なぁ、甲斐。
――――とんだお門違いってやつさ。
――――落とし前つけんのはオマエの方だ。
ガキとくだらねぇ遊びでイチャイチャするぐらいなら、さっさと俺に抱かれて喘いでろ。
End.
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