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< 狼の逆襲 3 >
――――ベルトで結われた手首が掠れて痛む。
「―――くっ・・・ぁっ・・・・」
悪意を持った指はずっと執拗に一点だけを攻め抜いていた。
「―――ここ、ギチギチだぜ。オマエ、後ろで感じてんだろ?」
壁を背に胡坐を掻いた男の膝に乗せられた卓はただ天井を睨んでその快楽をやり過ごす。
しかし、声と同調して促すように動く指に加えて、濡れた音が耳を犯しその熱を煽った。
「――――――くそがっ」
食いしばって歯から洩れた恨み事に耳元で男が笑う。
「―――前濡れてるぞ、色男。触ってほしんだろ?」
――――流されろと背後の声が誘う。
落ちてこいとあらぬところに潜り込んだ指が言う。
――――だが、そう易々と落ちてやれるほど"神崎卓"は安くはない。
「――――はっ、言葉攻め?意外だね、コーヘー君。もっと単純かと思って・・ぁ・たんだけど?」
乱れる呼吸にぐっと歯を食いしばった卓に背後から殊更冷たい声が掛けられた。
「――――のってやらねぇと言ったろ?」
「・・っ!・・・・・・」
―――途端抓られた乳首の痛みに卓の顔が歪んだ。
「――――このピンク色の乳首も節操のねぇコイツも全部俺のもんなんだ」
そのまま下に降りた大きな手が卓の起立を掴んで擦る。
「くぁっ・・ぁ・・・っく・・・」
卓は跳ね上がる体を必死に目を瞑ってやり過ごした。
「―――――ふらふらするのはてめぇの勝手だがな、この俺が指咥えて見てると思ってんのか?」
激しく擦られる前の起立は大きな快楽を生み、ぐっと唇を力一杯噛んだ卓は体を揺すって逃れようとしたが、ギュッと今度は絞められた手に思わず引いた腰が男の怒張にぶつかった。
「――――それとも苛めて欲しくって煽ってんのか?なぁ、頭の回る色男さんよ」
―――ぐりぐりと切っ先を撫で回す手のなんと悪意の籠っていることか。
「――――はぁっ、・・な、に・俺・・愛され、ちゃってる・・・わ、けだ」
しかし、神崎卓はふぅっと乱れた息を整えて、後ろの男に笑って見せた。
――――"ひねくれ者"はそう簡単に膝を折らない。
ゆっくりと後ろから抜けて行く指は一体何を意味するのか。
「――――はっ、愛しちゃってるね。その首を鎖で繋いでこの学園中を練り歩きたいぐらいにな」
―――遠慮なく挿入された怒張に前に逃げるように倒れて行く体を腹に回った力強い腕が無理矢理引き戻す。
「――――あぁぁっ!っ・・っ!・・・く、そがっ!・・」
自分の体重に加えて勢い良く入ってくるそれに卓が罵り声を上げて仰け反った。
―――辛うじてその衝撃でイかずに済んだ卓が男を睨みつけた時、情欲の不気味な光を漂わせ、その獣の目はすっと細められるのだ。
「―――――きっちり、オマエのここで俺を咥えろよ」
―――夕日は沈みきり、オレンジ色の光が教室から消えて行った。
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