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< Gossip >
―――隆也の愛する王様は外見に違わず意地悪だ。
それも"夜"になるとその意地悪さには拍車がかかって、いつも恥ずかしい気持ちで隆也を困らせるのである。
意識朦朧とする隆也はシンクの中で洗われるのを待つお皿たちを見つめた。
「・・あっあっ・っ・ひぃっ・・ああっあっっ・」
ガンガンと遠慮なく打ちつけられる男の欲望に甘い悲鳴を上げる。
苦しくて気持ちよくて、瞳に盛り上がる涙を我慢できないと思った。
「――――おい、誰が休んでいいっていったよ」
「・・・や、ああぁぁっ!!・・あっ、んっ!!」
途端、後ろから前立腺めがけて激しく打ち込まれて、のけぞるしかなくなった。
―――小麦色に焼けた首には透明な汗が伝わていく。
自分勝手な男は、いつも隆也に冤罪を押しつけて可愛い恋人を鳴かす常習犯なのだ。
―――最近マンションを訪れる新顔は、キッチンに立つ部屋主を押し倒す野獣なのである。
月だけが眠らぬ夜を見下ろす深夜。
ドキドキする胸の音を隣で眠っている相手に聞かれやしないか、いつだって隆也は心配になる。
好きな人が隣で眠る喜びが胸一杯に広がって、今日という幸福に感謝する日々が続いていた。
回された腕か嬉しくて、だから、今日も隆也は言いだせなくなってしまうのだ。
『―――俺のことどう思っていますか』
簡単なその一言が今日という幸福を壊してしまうような気がしていた。
『知ってるか?今度はあの会長、保健室のマドンナに手出したらしいぜ?』
隆也の脳裏には今日、彼のクラスメートたちが騒いでいた王様の噂が思い浮かんでいた。
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