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Heの小説
from me9
言葉を遮る様に先生が喋る・・・

西川「あぁ・・・年前ならな・・・だがもう彼女には移植用の心臓が合ったとしても・・・それに耐えきれる体力を持ってはいないんだ・・・彼女は只死を待つだけしか・・・選択肢が残されていないのだよ・・・彼女も両親もこの事は知っている・・・」

その言葉を聞いた瞬間・・・俺は只黙って絶望に耐え唇を噛み締めるだけだった・・・取り乱すのは簡単だ・・・しかし・・・この現実を受け入れなくては彼女の思いを踏みにじる事になる・・・そう思ったからだ・・・ここ数日間・・・葵にドナーが現れて心臓が治ったら色々な所に行こうと励ましていた・・・そのたびに葵は複雑な笑顔で頷く・・・やっと分かった・・・俺の励ましは葵にとっては更なる絶望を突きつけているしかなかったという事が・・・

西川「君は今、彼女に酷い事をしたと思っているね・・・」

空「はい・・・」

声がかすれる・・・

西川「彼女はちっとも気にしていないよ・・・逆に勇気づけてくれる事に感謝している・・・私が診察するときも必ず君との約束した話を笑いながらしてくれる・・・」

すると先生は真面目な顔つきになり・・・

西川「頼む!あの子に残された時間はごくわずかしか無い・・・彼女を大切にしてやてくれ!!」

空「はい!」

俺は只・・・力強く応える・・・

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あきゅろす。
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