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プリンセス・ジャック

「え……?」
 ジュリアは思わず、声をあげてしまった。

 そこにあったのは碧と青の瞳。

 彼は、クロード・カルリスは瞳の色が左右で違っていた。

 間。そして――

 銀の直線がジュリアを襲った。
「ジュリア。せっかくクロード君が私達に気を許してくれたというのにその反応はあまりに失礼ですよ」
 ジュリアは冷や汗をかきながらも間一髪のところで飛ばされてきたフォークを受け止めていた。
 フォークが投げられたほうには不気味に優しい笑顔の母がいた。
 ミルシーは自らの従者を必死にかばう。
「クロードはこの瞳のせいで今まで辛い目に遭って来ましたの! だから……」
「わかってますよ、ミルシー。誰も彼を偏見の目で見たりしません。
 ジュリアも、わかりましたね……?」
「は、はい!
 失言でした。取り消します」
 母の手にある銀のナイフがキラリと光ったので、ジュリアは慌てて言った。
 ミルシーは嬉しそうに目を細めた。
「……やっぱり、ジュリアお姉様はお優しいですわ。大好きです!」
 ……結局、そこに辿り着くか。
 ジュリアは心の中で溜め息を一つついた。


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あきゅろす。
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