プリンセス・ジャック 2 拝啓、エヴァリーヌ様 おげんきですか。わたしはげんきです。 わたしのまわりのみんなもげんきです。けがも治って、元の生活に戻りました。 でも、少しだけ変化があったんです。 ロエルさんとエミリアさんの距離が少しちぢんだ気がします。 そんな二人のことが、ジュリアは少し気にいらないみたいで、またちょっかいだしたりしてます。それはいつもどおりです。 ジュリアもあれから少しだけだけど変化があったと思います。 落ち着きがあるっていうか、大人になったっていうか。表面上は、少しだけど確かに変化があったんです。 あと、ミルシーとクロードは城を出ていきました。 追い出されたわけでも、家出でも、ジュリアに愛想尽かしたんでもないです。 本当の王女となるべき時期が来るまで、国中を旅して見てまわるんだっていってました。 あ、彼女から伝言があります。 『フィーネによろしく』だそうです。 ミルシーはフィーネという人に、一生消えない傷を負わされたらしいですが、うらんではいないと思います。多分。 敵として敬意をもってるんだと思います。彼女はそういう人です。 そちらはどうですか。 エヴァリーヌ様はげんきですか。シャムリーはエヴァリーヌ様がいればいつだってげんきだと思います。 昔からそうでした。シャムリーはエヴァリーヌ様のためにいつもいっしょうけんめいだから。エヴァリーヌ様のためならいつもがんばれるんです。 ごめんなさい。エヴァリーヌ様が一番よく知ってることでしたね。今のわたしは、そうであることをよく知ってます。 昔のわたしは知らなかったから、エヴァリーヌ様のことを傷つけました。 この前も謝ったけどもう一度、ちゃんと謝ります。 ごめんなさい。 だから、仲直りしてほしいです。 こういうふうに言うのはあつかましいかもしれないけど、わたしはあつかましい人間です。だから言います。 こんどあった時、昔みたいに楽しくおしゃべりできたら嬉しいです。 [*back][#next] [戻る] |