、 果たして僕は、この位置をキープし続けることが出来るだろうか?正直いって自信はない。 …と、そんな僕に気づいてくれたのか、先輩は僕に歩くよう指示をした。 どこへだろうと思ったけれど、横をいく先輩についていく。女の子たちもついてきて、何だか変な集団だ。 そして目の前に現れた扉。ファン除けのためにあるフェンスの入口だ。 そこに触れることすら禁じられているのに、なんと先輩はそこを開けて僕を中に入れてくれたんだ! キャーという声がより一層酷くなった。 「い、いいんですかっ!?」 「ああ、いーっていーって。渡してぇもんもあるしさ」 「え、ええー…」 よくないんじゃないだろうか。女の子にもサッカー部の人たちにも睨まれているのだけれど。 唯一の救いは、多分僕が男だということだろうな。先輩に腕を引っ張られている間、そんなことを思っていた。 僕が連れて来られたのは、先ほど翼先輩が座っていたベンチだ。 カバンを漁り、丁寧に袋に入れられたものを渡された。 「ハンカチ…」 「ああ、ありがとな。ちゃんと洗濯してアイロンまでかけたからよ」 「い、いいのに…って先輩アイロンとか持ってるんですか?」 [*前へ][次へ#] [戻る] |