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 庄司 翼。小学校のときは野球クラブに所属していたらしいが、中学にあがってサッカー部へ入部。
 始めこそボールにすら触ることの出来なかった彼だが、サッカーの魅力にあてられ人より2倍も10倍も努力をし、技術を身につけた。
 そして中学3年、彼は全国大会でエースとして名をあげたのだ。

 3人のディフェンスに囲まれながらもゴール20m前、彼の蹴り出したボールは綺麗に吸い込まれるよう、ゴールの中へ入っていったのだ。
 3人に囲まれていたにも関わらず、距離があったにも関わらず、誰も止めることは出来なかった。
 しかもその大会ではそれだけで終わらなかったのだ。PKも成功させ、ナイスアシストといいたくなるそれは毎試合で。
 もちろん自分もポイントを決め、得点王とMVPを勝ち取ったのだ。努力の賜物、とはまさにこのことだろう。


 ちなみにこれは全て、当時のスポーツ新聞に大きく取り上げられている。興味のある人はぜひ見てあげてほしいものだ。







『『キャーッ!』』
『翼くーんっ』
『かっこいー!』

「うわ…ぁ…」


 次の日、僕は約束通りサッカー部を見にきた。だが恐ろしいことに、僕が来たときにはもう人だかりが出来ていて、近づくことすら出来ないのだ。



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