、
「ぁ…え、多分、はい…」
「だから、今後にももっと期待出来るんだよ。……ふふ、あーあ、もう…泣かすつもりなかったのになぁ」
──ポンポン
逆光でよく見えなかったけれど、声色からして先輩は苦笑いをしていた…と思う。
頭を撫でてくれてた先輩はポケットからハンカチを取り出し、優しく拭いてくれた。
すぐそこに先輩の整った綺麗な顔があり、思わずギョッとして少し後ろにそってしまう。
うん?と首を傾げる先輩に、僕の顔に熱が溜まるのが分かった。
でも僕は、この赤い顔は夕日のせいだと言い聞かせ、帰る支度を始めた先輩をずっと見ていた…。
「………あれ?そういえば…星大って、17じゃなかったっけ?」
「…あ、はい。僕実は1年留年してるんです」
「そうだったんだ。ああ、でもほんと嬉しいなぁ…手、繋いでもいいかな?」
「え、ええっ!?あ、あの…っ」
ダメかな、と眉を垂らされ、僕は慌てて頷いた。そして右手を先輩の方へ差し出した…んだけど、ああ、なんて僕はバカだったのだろう。
未來先輩は繋ぎたいといったわけで、握手をしようといったわけではないのに。
なぜか左手で僕の手をとって歩き出す先輩に、つい目を丸くしてその手を凝視してしまった。
僕、もしかして先輩と手を繋いで歩いてる…?
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