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「だからね、次の作品も買ってみようって気になったんだよ?その次も、その次も。
…気がついたら君を追いかけていた。こんなに気持ちの入る本を書く君に憧れたんだ。
大志くんの本は、心に訴えてくる素晴らしい作品だよ」
「っ──」
「自信、持っていいよ。大ファンの僕がそういうんだから、きっと他の人もそう思ってる。みんな大志くんの新作を待ってる。
…いつかそれに応えてくれると、僕たちは嬉しいな」
未來先輩の後ろから差し込む夕日が、僕にはまるで後光のように見えたんだ。
面白い、楽しい、凄い。聞き慣れた言葉だと思っていたのに、なぜ未來先輩にいわれると凄いことなんだと思ってしまうのだろう?
書けなくて苦しんでいたのに、今すぐ書きたいという気持ちにさせてくれる。
ツ、と流れ出たものにすら気づかないほど、このときの僕は先輩の言葉を噛み締めて何回も繰り返していたんだ。
本は1人で書くものじゃない。2年も経って、ようやくそれに気づけた。
「それに…ふふ、読んでて面白いんだよね」
「……え?」
「まるで本が成長していくみたいなんだ。1作目からちょっとずつ文体が変化してる……無意識?」
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