、 放課後、せっかく部活が休みだというのに翼先輩は校内を案内してくれた。 教室に迎えにきてくれたときはあまり騒がれなかった彼も、こういった普通科の人も使用する場所ではキャーキャーいわれている。 背も隣に立ってみるととても高く、羨ましい限りである。 先輩に案内してもらったのは本当に極一部だ。 図書室に、授業で使うだろう理科室や音楽室。校庭や体育館、中庭も案内してもらったが、普通科との交流がないというのは少し驚いてしまった。 「こんな感じだけど…他に見たいとこあるか?」 「いえ、僕はもう大丈夫です。ありがとうございました」 「いーってことよ、可愛い後輩のためだ!」 「あはは、頼もしい先輩に出会えて僕も嬉しいです」 「っ…そ、そうか?」 「はい、もちろんです」 僕が嬉しいというと、翼先輩は少し狼狽えた様子を見せた。 照れたのだろうか?誉められたり、声援を送られることには慣れてそうなのに少し意外だった。 そしてもう一度お礼をいい、僕はマンションへと帰ることにしたのだ…が、どうやら先輩もあそこに住んでいるらしい。 なぜかというか当然というか、一緒に帰ることになった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |