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「……聞いてるか?」

「あっと…その、僕今日編入してきたばかりで…」

「ああ、やり方分かんねーんだ?」

「っ…はい」

「来いよ、教えてやる」


 彼は人懐っこそうな笑みを浮かべ、僕の手をとって勝手に歩き出した。
 その強引さは人見知りの僕には戸惑いしか感じれなかったが、あのまま突っ立ってても仕方ないので今はその好意に甘えることにする。

 空いてる席に彼は座り、テーブルについていたパネルのようなものを操作し始めた。
 聞くところによると、その中から食べたいものを選んで注文するらしい。とりにいくのは自分で、らしいがアナログ派な僕にはそれすらもハイテクすぎて困惑してしまう。


「何、今日からか?」

「あ…はい。だからまだ友達もいなくて…本当に助かりました」

「いーって。あ、俺は庄司翼。2年のスポーツ科だ」


 ツバサくん、もとい翼先輩は爽やかな笑顔とともに名前を名乗った。
 白い歯が見えそうなほどの笑顔に、この人懐っこさ。翼先輩も人気があるようだ。
 僕は一緒にいるのが何だか恥ずかしくなったが、失礼のないよう自己紹介をした。

 この人となら文句なしにやっていけそうだ、そのときの僕はそんなことを思っていた。



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あきゅろす。
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