、 「これも…これも。もしかして彼のファン?」 「っ…えっと、はい…その、」 「いいよね、彼。僕も大ファンなんだ」 「………え」 「最近は新作が出なくて残念なとこだけど嬉しいな。同志…ってことだよね」 「そ、そうですね…っ」 あぁああ…っ、僕は今普通に出来てるだろうか? 大ファン?未來先輩が僕の本を読んでくれている?どうしよう、恥ずかしすぎて手元が覚束ない。 僕は大事そうに棚に片す未來先輩の少し後ろで、ただ並べられていく本を眺めていた…。 「……こんなもんかな。本、まだこんなにあるんだね」 「はい、何だかんだで…」 「ふふ、あるよねそういうの。……ああ、もうこんな時間か」 「あっ、え、嘘!ごめんなさい、僕気がつかなくて…っ」 なんてことだ、外は赤い空に変わり、時計を見るともう5時をさしている。こんな時間まで付き合わせてしまった。 僕はただそのことに後悔してしまい、そんな僕を見て未來先輩が笑っていることに気づくのに、時間がかかってしまった。 「あ、あの…」 「ははっ…ごめ、大志くんは謝ってばかりだね」 「あ、ごめんなさっ…ぁ、」 [*前へ][次へ#] [戻る] |