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 かぁいい雨音を手放すのは惜しいけど。
 目の前の光景を嫌悪感いっぱいで見ている卯月は、雨音を帰すことにした。

 こう…うまい具合に目隠ししたまま雨音を抱き上げて、階段のとこまで。


 まー帰るっていっても、そっちも今ごろカオスな状態になってるだろうし、元々の原因はこの子なんだけどね!



「……チョコ、サンキューな」


「なはは、お礼は3倍といわず10倍でよいよ」


「クッ…分かった、楽しみにしてろ」


「おぉう男前…うーちゃん好き!僕最新の顕微鏡欲しいっ、じゃーねー!!」


「……買えってか…」



 混乱の元なのにお礼をもらおうとするどころか、ちゃっかり希望までいってった雨音。
 でも卯月は怒るどころか愛おしそうに目を細めた。

 いやん、恋は盲目って、盲目すぎてもうなんか実は失明してんじゃね?頭イっちゃってんじゃね?って感じだよね。


 あの雨音に恋、なんて。







 さーてさて、本校舎へ戻ってきた雨音さん。授業どころじゃなくそこら中で騒いでいるのを見て、口元だけのニヤニヤ止まりません!

 胸ポケットからなんか分厚いデジカメを取り出して、パシャパシャ撮ってます。


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あきゅろす。
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