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 雨音は選んだ下駄箱の中へ、持ってきたチョコを入れた。
 そしてまた選び、別のチョコを。

 そう!あの大量に買って作ったチョコはこれのためだったのだ!


 まーこれがね、ただのチョコなら雨音は絶対しなかっただろうけど…実験体がたくさんいるってスバラシイネ。



「んむむ、全員分作れなかったのは残念ですな…」



 もっとチョコ用意しとけよ!
 無表情でキーッと入れてきた袋を噛んで怒る雨音。
 ヒステリックおばさんの真似だろうか、ただ袋を食べているようにしか見えませんね。

 さー全部入れたら部屋に戻りましょう。
 そして寝ましょう、明日…あ、いやいや今日のために、ね!







 最近のバレンタインってさ、本命と義理チョコ以外に色々と出てきてるよね。
 友チョコとか逆チョコとか、ご褒美チョコに感謝チョコ。
 まーお店側としては買ってくれればいいんだろうけど。

 でも大和学園は、本命チョコの嵐です。



『キャーッ、会長僕の気持ち受け取って下さーいっ』

『如月様これ食べて下さぁぁい!』

『あぁんむしろ僕にチョコを塗って食べてぇっ』

『俺のチョコバナナ…!』


「ちょ、と、通して下さ…っ」


「チッ、いらねーつってんだろ!」


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