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雨音は選んだ下駄箱の中へ、持ってきたチョコを入れた。
そしてまた選び、別のチョコを。
そう!あの大量に買って作ったチョコはこれのためだったのだ!
まーこれがね、ただのチョコなら雨音は絶対しなかっただろうけど…実験体がたくさんいるってスバラシイネ。
「んむむ、全員分作れなかったのは残念ですな…」
もっとチョコ用意しとけよ!
無表情でキーッと入れてきた袋を噛んで怒る雨音。
ヒステリックおばさんの真似だろうか、ただ袋を食べているようにしか見えませんね。
さー全部入れたら部屋に戻りましょう。
そして寝ましょう、明日…あ、いやいや今日のために、ね!
◆
最近のバレンタインってさ、本命と義理チョコ以外に色々と出てきてるよね。
友チョコとか逆チョコとか、ご褒美チョコに感謝チョコ。
まーお店側としては買ってくれればいいんだろうけど。
でも大和学園は、本命チョコの嵐です。
『キャーッ、会長僕の気持ち受け取って下さーいっ』
『如月様これ食べて下さぁぁい!』
『あぁんむしろ僕にチョコを塗って食べてぇっ』
『俺のチョコバナナ…!』
「ちょ、と、通して下さ…っ」
「チッ、いらねーつってんだろ!」
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