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「ほーぅ……なるほど」
「………ツラいことは言わなアカンよ」
「うん。あ、職員室発見!霜月せんせー来ましたー」
「おせぇ。しかもてめぇもう厄介事に巻き込まれてるみたいじゃねぇか」
ホスト並みにボタンを開けて髪を整える彼は、鋭い目つきで雨音を睨んだ。
「巻き込まれたみたいです。オタクは大変ッスよねー」
「は?なに人事みてぇにいってんだ」
「まぁまぁ、早く教科書を睦月に渡して下さい」
「っ…!頭にクるな……しかも新年を使ってんのか!?」
「…………………Yes」
チラッと睦月をみて頷いた。
睦月は少しショックそうな顔をするが、その潔さに霜月は大爆笑。
「ククッ……いいな、そういうの。ほらよ、持ってけ」
「お、どうもです。やっぱ1人じゃ無理だったな」
「ハァ……貸しぃや。俺は優しいさかいね、持ったる」
「うわーありがと睦月!ほんと、睦月で良かったー」
にへらっと笑う雨音に不覚にも胸が高鳴る。
(やからメガネ意味ないんやって…)
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