[携帯モード] [URL送信]
27
「ほーぅ……なるほど」


「………ツラいことは言わなアカンよ」


「うん。あ、職員室発見!霜月せんせー来ましたー」


「おせぇ。しかもてめぇもう厄介事に巻き込まれてるみたいじゃねぇか」



 ホスト並みにボタンを開けて髪を整える彼は、鋭い目つきで雨音を睨んだ。



「巻き込まれたみたいです。オタクは大変ッスよねー」


「は?なに人事みてぇにいってんだ」


「まぁまぁ、早く教科書を睦月に渡して下さい」


「っ…!頭にクるな……しかも新年を使ってんのか!?」


「…………………Yes」



 チラッと睦月をみて頷いた。


 睦月は少しショックそうな顔をするが、その潔さに霜月は大爆笑。



「ククッ……いいな、そういうの。ほらよ、持ってけ」


「お、どうもです。やっぱ1人じゃ無理だったな」


「ハァ……貸しぃや。俺は優しいさかいね、持ったる」


「うわーありがと睦月!ほんと、睦月で良かったー」



 にへらっと笑う雨音に不覚にも胸が高鳴る。


(やからメガネ意味ないんやって…)





[*前へ][次へ#]

27/111ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!