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 寄りによってそれを残すのか。
 しかもそれ一つだけか。
 いくら明日までのフェアとはいえ、30個近くあったそれを全部買っていくのかコイツは…!!


 なーんて文句、怖くていえません。
 引きつった笑いでレジまで戻りました。
 半ベソかいてたのはまぁ、仕方ないよね、雨音相手だもん。



「ふんふっふーん♪…重いですな。おもいおもいおもいおもいおいもおいもたっべたっいなー」



 体をリズムに乗せながら。
 睦月がいたら卒倒だね、うん。

 さーて、全部カゴに入れたわけだし、お会計して帰りましょうか。



『な、7998円でございます…』


「ほっほう、1年S組新年睦月くんにツケといてくれたまえ」


『へっ!?』


「大丈夫、次きたときに払ってくれる…はず!アディオスチャオーッ」


『ちょ、嘘だろ…!?』


――ガサッ、ダダッ!



 ……雨音、袋を奪って逃げ去っていきました…。万引き?いえいえ、いつか睦月が払います、多分。

 袋にたくさん入ったソレをヒーヒーフーフーいいながら持ってエレベーターへ向かう雨音。
 の前に現れた弥生。なんてタイミング。



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