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「ああ…実はな「おら席つけ」……チッ、また後で」
「うん」
霜月が入ってきたから話は中断。
その間雨音は手紙をまた、面白そうに読み返していた。
そしてHRも終わったとき、
「水無月、教科書渡し忘れたからとりに来い」
「あ、そういえばもらってなかった」
「せやったら俺も手伝うわ」
「ラッキーよろしく睦月」
イエーイとピースをする雨音だが、やはり表情と行動があってない。
何だかな、と思いながら廊下を歩く。
「………中学んときな」
「んっ?」
「仲よかった子、おんねん」
「ほぅ、さっきの話ですな」
「そ。そいつ俺らのせいでイジメられて自主退学したんや」
雨音ほど、というわけではないが平凡だったその子。雨音のようにイジメられ、耐えられなくなって転校したのだ。
だから雨音も我慢してるんじゃないかと、いなくなるんじゃないかと不安になる。
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