19 朝から折り紙で輪っかを作らされ、無駄にデカい横断幕も用意しろといわれ。 みんなブツブツ文句をいいながらも、雨音の恐ろしさを知っているがために、一生懸命作業をしていた。 そんな本日の…というか、常に主役な雨音は、フリフリのエプロンをしてキッチンに立っていた。 「ローストチキン、ケーキ、うーむ…サンドイッチがいいですな。コーンスープにサラダとタイのお造りもほしい」 なぜか食材で満杯の冷蔵庫を覗きこみながら、ふはは、とメニューを口にする。 だって完璧(?)主義など雨音ですから! 料理だって自分で作っちゃいまっす。 「よっ、ほっ……たぁ!」 ――スパパパパ! トトトトトンッ、とお皿に落ちてくるのは、タイのお造り。なんという神業! 頭は綺麗に上を向き、骨もついてなければ綺麗なお刺身がこれまた綺麗に並んでいるではないかっ。 恐るべき水無月雨音。 漫画のワザだってちょちょいのちょいだ。 「ほっほぅ、次いくぜ。チキンはチッキーン♪ビビりのことふんふふーん♪」 意味の分からない歌を歌いながら、次々となんか大げさな身振り手振りで完璧に作っていく雨音。 [*前へ][次へ#] [戻る] |