11 「そ…いえば、そうですね。もう先輩じゃなくなる…あ」 「ハローマイフレンド紀和!」 「……ふふ、そういうことですか。意外だな、…雨音が気にするなんて」 クスクスと意外そうに、おかしいと笑う紀和は閏のように綺麗で、どこか幻想的なイメージを持たせる。 だが雨音が敬語のことや呼び方を気にしていたことの方が、衝撃的だ。 やはり雨音も1人の男の子だったのか…! 「うんうん、…へへ、それでお願いって?」 「あ…えぇと、雨音は庭園の存在、知ってる?」 「うむ、あの手入れのしてないさっみしー場所だね!」 「そう。そこを…僕に管理させてくれないかな?もったいないってずっと思ってて、…ダメ…?」 昇降口から少し離れたところにある庭園、バラ園。けれど今は手入れをしてないために綺麗といえる場所ではなく、誰も近寄ろうとしない。 紀和はそこを管理したいといっているのだ。あわよくば己のプライベート空間のために。 このまま日生が会長だったら、こっそりやるか諦めるつもりだったけど…雨音に変わったから思い切って相談してみました! でも…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |