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嵐というか地獄というか、まさにCrazyともいえる卒業式は昨日のこと。
はい、1日たちました。
――"プルルル、プルルル"
「……むむ、ヤヨちゃんから電話っ!」
朝のニュースをふんふん頷きながら見ていた雨音は、電話の音に気づき、寝室へ急いで戻った。
ちなみになぜ鳴っただけで弥生と分かったのか。それは、今も流れている着信音のせいだ。
はい、文面では分かりませんが、あれは携帯に入っていたものではなく、弥生の声です。
みんなの着信音はそれぞれの声!
さすが雨音、普通じゃ終わらない。
――ピッ
「おはようございます。新生徒会長の水無月雨音です。今日も1日張り切っていきましょうっ」
『………おはよう雨音。悪いんだけど、っていうか僕を繋ぎとして使われるのは凄くムカつくんだけど、今から生徒会室いって』
「本日は快晴!しかし一部の人の周りでは黒く暗ーい雲が広がっているでしょう」
『………僕がシカトしてあげてるうちに返事』
「はい、すぐ行きますです弥生さん」
おぉう、怖い…そう普通の音量で呟く雨音に、弥生の黒いオーラはさらに電話口から漏れ出した。
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