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「………俺、もうするつも、」


「……(シュン…)」


「っ……あっちがヤるっつったら、いいぜ」


「ほんと!?わーいありがとうーちゃん!じゃー僕呼んでくるから下で待っててね。ヤッタヤッターみーちゃーんっ」


(しまった……クソッ)



 演技だと分かってても、演技してるのに無表情でも……雨音には勝てないのだ。

 惚れた弱みだし。
 うん、ほんとどこに惚れたんだか。


 とても嬉しそうに飛び出ていった雨音を見送り、卯月は重い腰をあげて外へ向かうことにした…。




 一方雨音、同じ階の一年クラスに向かって大声で名前を呼びながら走っていた。

 途中人とぶつかったけどなんのその!
 雨音に反論する人はいませーん。



「みーちゃんみっちゃん三春ちゃーん!」


「っ…ちゃん付けすんじゃねぇ!」


「おほ?……わぁ、僕浮いてるチョーすげー」



 プラーンプラーンと。
 首根っこを捕まれた猫のように、雨音の足は地を離れた。

 うん、掴んで持ち上げるだけでも凄いのに浮くってミラクルだよね。
 さすが卯月と張り合える一年生。



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