4 皐月は不満そうだけど。 しいていえばその30個、全部ムリヤリ奪ったようなもんだけど! 「だから閏のもちょーだい?」 「ええ、雨音君のためならいいですよ」 「お、よっしゃヤッタネ!ふんふんふーん♪」 「はぁ…どうでもいいが、そん中に俺らのを一緒に入れんじゃねーぞ」 「………んん? なんで?」 「なんでもだ。一緒にしちまったら誰のか分かんねぇだろ」 他のと一緒なんて、雨音にあげた意味がなくなってしまう。 たった1年しか一緒にいることが出来ず、こっちは別れを寂しく思ってボタンを渡したというのに………まぁ、面倒からは解放されたが。 雨音は、袋の中を覗きながらうんうんと唸るほど考えた。そして、理解した。 「りょーかいです先輩!これは別にとっておき……あ」 ──ポロッ 「「………あ」」 「………おっと入ってしまった。ふはは、どーれだっ?」 「あま…お、まえ…っ…!」 「いやースマンスマン。あ、でも閏の残ってる。別に保管するから安心したまえ!」 「えっ…あ、ありがとうございます…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |