3 「うーちゃん、第二ボタン、ちょーだい?」 「……えっ?」 「『はあ!?』」 「これ欲しいなー閏の欲しいなーくれるよねー欲しい欲しい欲しい欲しいっ!」 「なんで閏のもほしがんだよ雨音!」 俺ので十分だろ!? つか俺のだから欲しがったんじゃないのか! 唖然とする皐月だが、雨音を甘くみちゃあいけません。 まさか本当に第二ボタン欲しさにやってくるとでも思ったのか、一年も一緒にいて。 「いっ…いいですけれど、私のでいいんですか?」 「うむ、第二ボタンがいいのだよ」 「え…っと、ボタンが?」 「ふはは、うーちゃん知らないの?卒業式は戦争なのだよ!どれだけ第二ボタンを集めれるか勝負のときなのだよ! 見てみてこれ、もうこんなに集めちゃった。凄い?凄いっ?きっと僕1位になると思うんだっ」 ((間違ってるし…!!)) (ふふ、雨音君らしいですね) ほら見て!と腰につけた巾着袋の中を自慢気に見せてくる雨音。 そこには、もう30個近い第二ボタンが入っていて、閏は苦笑いを零した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |