21
何だかいってることが矛盾している。薄々気づき始めた2人は顔を見合わせた。
そして雨音がオムライスを3口食べたとき、
『『キャーッ!!』』
食堂に悲鳴があがった。
が、雨音は気にせず食べ続ける。
「もしかして…お仲間ちゃう?」
「仲間いうな。……でも多分そう」
「あちゃー…雨音大丈夫か?」
「さぁ…?」
声が波になって近づいてくる。それにはさすがの雨音も顔をあげ、そちらをみた。
人が割れる…。
「あ、会長」
「あ゙あ!?誰だてめぇ…勝手に呼ぶな腐る」
「皐月、初対面にそれは失礼です」
「え、さっちゃん?」
「あ゙ぁん!!?」
今日の入学式で挨拶をしていたその人、週間皐月が雨音を睨みつけた。
何回も染めたであろう茶色の髪は傷んでいて、金色のカラコンをしている。雨音よりも30cmも背が高い。
「おい弥生、んだこいつ」
「ああ、編入生の水無月雨音。…資料とかなかったんですか?」
「見てねぇ。まさかこんなオタクとはな」
フンッと鼻を鳴らして見下す。
周りも同じようなことをした。
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