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 まぁでもこれくらいなら…と、みんなが思っただろう。無事に席についたクラス…特に雨音を見て、担任を務めてきた霜月はホッと息を吐いた。

 その後、A・B・C・Dと席につき、音楽がプツリと途切れる。
 不満そうなのが約一名、無視をして式を進めましょー。


『これより、第──……』








 開式の言葉、わけの分からない話。
 それらは開始10分程度で済み、いよいよ卒業証書授与、だ。


 ピシーン!と背筋を正したまま身動き一つしなかった雨音だが、それが近づくにつれ、なんだかそわそわし出した。

 Sクラス、みんなして心配そうに雨音を見ています。
 あ、雨音が心配なんじゃなく、式が無事進むかっていうのがね。



『卒業証書、授与。Sクラス、起立』


──ガタ



 イスのズレる小さな音。
 立ち上がった20人ほどの中に、雨音はいた。体が揺れている。一目瞭然だ。

 ……が、雨音よりも前に座っている睦月と弥生は気づいていない。残念っ!



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あきゅろす。
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