6 「おぉう…ナイスむっちゃん、さすがやね」 「え…いやーそれほどでも…って置いていかんといてっ」 (っぅ…これも今日で最後かいな…) くっ、と男泣きをする睦月に、キュンとする後輩。 忘れてはいけないのが、睦月は本当はイケメンだということだ。 ………あ、睦月はどーでもいい? んじゃ雨音のことに移りましょ。 駆けだした雨音に気づいた周りは、一斉に道を開けた。 ターゲットにされた受け付けの子、ヒィッと悲鳴じみた声を漏らし、目を潤ませた。 生徒会の子である。 弥生より可愛いのである。 (別に可愛いのがよくてこんなナリなわけじゃないんだけど) ………怖いのである。 「今日…僕は…っ、卒業します!」 『おっ、おめでと…ござ、います…っ』 「いやーへへ、どーもどーも。じゃ、つけて」 『えっ!?』 「……?花、僕はそれがなんとしても欲しいのだよチミ」 『あっ!あ、はいっ』 「ごめんねこんなんの相手。適当につけてくれればバカみたいに喜ぶから」 [*前へ][次へ#] [戻る] |