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──ゴクッ
「……ン……んん? む、しまった…!さっきのだ。……どうりで味がしないわけですな」
甘い匂いはするのに。
ンベッと舌を出してヤレヤレとペットボトルを鞄へしまう。
……そしてやっと気がついた。
あれ、これ飲んで良かったの…?と。
「こりゃ失敗失敗。うむ、今のところ害はない……あ、僕実験体ですか。こりゃ初めての経験だっ」
※注意
学校の薬品には無断で手を出してはいけません。ましてや、訳の分からないものを口にするなんてことは、絶対にしてはいけません。
そう、彼が水無月雨音だから許されるのです。
「………異常なーし」
──サワサワ、ピラッ
「…………腹筋なーし」
──ペシッ、コキ、コキッ
「飽きた。僕帰る」
だって何も起きないんだもん。
ちょーっとつまらなそうに口を尖らせた雨音は、薬品を棚に戻してカギをしめた。
そして溶けた机をどうしようかと見つめていたとき…ガラッと扉が開き、久しぶりに様子を見にきた卯月が入ってきたのだ。
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