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先ほどのは冗談だった雨音も、本当の完成にブリブリをやめ、火を止めてフラスコを持ち上げた。
目の高さまで持ってきて、目をパチパチさせる。
「ほっほぅ、ピンクですか。水無月雨音試作品第6号ですな。2号と3号をプラスしたもの…っと、メモしとかねば!」
ちなみに、それらは爆発せずに収まっている、よく分からない液体のことである。
色々混ぜてるうちに出来ちゃったんだよ、うん。
『実験ノート』なるものに書き加え、雨音は周りの器具を片付け始めた。
実験にハマる=何かを作りたい!
なにかが完成=興味は失せる。
これ、雨音の実験に対する法則なり。
つまり雨音は、もう実験には飽きたのだ。何かが完成すればそれでよく、効力や物質についてなどまではどうでもいい。
そして雨音は、冷えたピンクの液体を持ってきたペットボトルに移し、部屋の換気を始めた。
「ふはー…いいねこの達成感……みんなも味わえばよいものをのぉ…」
ふっふっふ…と外の景色を眺め、持っていたペットボトルに口をつける。何かしたあとは喉が乾くものだ。
えへ、それがさっき作ったのって気づいてたら飲まないけどね☆
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