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 あっさり退くその人。
 ついでに右隣と前の席も退いてもらった。



「ほー…睦月、便利だな」


「………おおきに」



 喜んでいいやら何やら。とりあえず席についた所で先生が入ってくる。



「席つけー」


『キャーッカッコイい!』
『先生抱いてぇっ』


「うるせぇ邪魔すんな。お前らの担任の霜月だ。Sから落ちるようなことだけはするな」


「おお、ホストがいる。この学園は不思議だなぁ」


「あ゙?」



 椅子にだらーんと座りながら霜月をみる雨音。口の悪さにみんな睨み、霜月もガンを垂れる。


 横では睦月が堪えながら笑っていた。



「誰だてめぇ…」


「え、水無月雨音です。オタクやってます、よろしく」


「はぁ?」


「趣味、今はフィギュアを見ること。
 特技、今はモエきゅんの主題歌が空で歌える。
 後は…むむ、オタ菌ってなんですかー?」



 ピッと立って勝手に自己紹介を始める雨音。その内容に睦月はとうとう声を出して笑い出してしまった。





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