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(………カギ、は…)
してあったはず。
卯月も一時期興味を持ち、取り出そうとしたがカギがかかっていて諦めたのだ。無闇に割って変なものだったら自分が危ないから。
なのに取り出している。
はい、出ました雨音のピッキング術。
みんなは真似しちゃダメよ?
「むふふ…いいもの揃ってますなぁ。……お、これはこれは…ほっほぅ、手袋しないとダメですな。んん、胸が高鳴りますっ」
「………お、い…大丈夫なの、か…?」
「うん?………うん」
(これヤバくねぇか!?)
あ、今気づきました。
さすがカギがしてあっただけあり、取り扱い注意な薬品ばかりなのだ。もしかしたらこの理科室は、そういうものの倉庫としても使われていたのかもしれない。
それを雨音が見つけてしまったのがこの学園の運の尽き。
"硫酸" という文字を見つけ、手袋をしてそれを手にとりニヤケる雨音を見て、卯月は今回は完っ璧に諦めた。
「………わり。用事が…」
「んっんんー♪これとこれー…ふふん、僕はこんな初歩的なものでは満足しないのだよ。次っはー」
「…………」
「……む?卯月何かいったかい?……あ、いない……よし、集中出来る」
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