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「……呼んでいーの?僕、1人でやらなくていーの?」
「っ、あ、ああ。………付き合ってやる」
「ほぅほぅ、卯月は解剖が好きだったんですな。いやー大発見。よし、たくさんやろうじゃないかっ!」
「………あ?」
「え? 鮎?いーね卯月!初めてなのに鮎を選ぶなんてさすが不良っ!」
不良=鮎=凄い。
はい、雨音方程式の一つです。
うっははーと目に見えて喜ぶ雨音に、卯月はそれ以上何もいえなくなってしまった。
「卯月っ、今度鮎釣りに行こーね!」
「………は、ぁ?」
「うむ、自分で釣った方がやりがいがあるのだよ君。ふはは、楽しみーうーちゃんとお出かけー」
(雨音だけだぜ、こんなん許すの…)
自分がこんなに甘い人間だとは思わなかった。そう呆れる卯月に雨音は気づくわけもなく、机の上を綺麗にしながら鼻歌を歌っている。
うん、可愛い。
………卯月目線だけど。
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