16 とてもカッコイい彼。だけど別に近づきたいとも思わない。 雨音はガクッとズレたメガネを直し、退屈そうにあくびをした。 会長の挨拶は簡単に終わり、式も終わる。弥生が戻ってこないので2人で教室に帰った。 ──ガラッ 「……んお、視線が痛い」 「堪忍ね。席は…」 自由。 「むっちゃんむっちゃん」 「やからそれやめぃ」 「僕は一番後ろがいい。教科書にフィギュア隠してモエモエするんだ」 『キモッ、まじオタクかよ』 『なんでSにいるわけ?!』 「それ普通ゆうか?」 「だってやるっていってた」 「は?」 普段やってる訳じゃ無いのか、疑問に思ったが雨音がその席に向かっていくので後をついていく。 もうすでに座っている人。 雨音を睨んだり睦月に顔を赤くしたり大忙し。 「ここがいいなー」 『い、嫌だよ!早くきてこことったんだからっ』 「な、代わってくれへんかな?」 『はいっ、もちろんですぅ』 [*前へ][次へ#] [戻る] |