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「へへ、でね、これが心臓。……取り出してみる?」
「どっ……ちでも…」
「むむ、じゃあ今日はいーや。それからーこっちが腸。これは脂肪体なのだよ」
今までにないくらいイキイキと、楽しそうに作業を進めていく雨音。
その手つきは確かに慣れていて、知識もしっかり持っていて、本当に好きなんだなぁということが伺える。
………が、いかんせんカエルの解剖。
文章だからいいものの、実際はグロくて耐えれません。
「でねでね、これとこれは肝臓。こっちの2つは肺なのだ」
「………詳しいな」
「ふはは、もっと誉めろ」
ニヤッと笑う雨音の目は、珍しく光が入っていて何とも言い難い。
一瞬ドキリとした卯月だったが、雨音の手元から聞こえるグチュリという音に、気分を萎えさせていた。
ちなみに弥生、途中からドロンしてます。ただ、睦月と違って飽きたから、だけど。
それから雨音はひたすら卯月に臓器の説明をした。終わったころのカエルは見るに耐えれない状態だったが、キラキラした笑顔に卯月は満足げだ。
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