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「さっちゃん、教え下さーい」


「……アイツのいる理科室なら、誰も文句はいわねぇ……と思うが…」


「………アイツ」


「チッ、桜庭卯月だ」


「あっ、卯月のとこ!うはー忘れてやした、そこがあった!」



 もはやD…いや、桜庭卯月のテリトリーとなっている、使われていない理科室。
 時たま遊びにはいくものの、すぐに思いつかなかった自分にショーック!


 ……なんてことはなく、どうしてそこならいいのかと皐月ではなく閏に聞いた。



「なにしろ彼のテリトリーですからね、教師は怖くて手が出せないんですよ」


「ふむ、そこなら何をしてもいいとゆーことですな」


「いえ…何をしても、といわれると止めて欲しいのですが…あの場所では注意をしてくる人はいないでしょう」


「ほー…卯月便利」



((便利呼ばわり…))



 そんなこと出来るのは雨音だけ。
 さっそく、といわんばかりに雨音は生徒会室を飛び出していった。

 残された睦月。
 ……卯月が怖いので今日は大人しく部屋に帰ります。






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