８
「あぁあ雨音！ち、ちゅーは気軽にしちゃアカンやろっ」
「そうなの？でも理科室」
「……そないに使いたいんか…」
「だが閏のいった通り許可は出せねぇ」
「………わー嘘つきがいるー僕嘘つきキラーイ。睦月、弥生、僕は帰る」
「「え、雨音っ！？」」
「お願いしたのに始めからダメだったとか訳分かんないし。あー最悪。いいよいいよ、へっ、どーせ皐月には期待してないし」
光のない目に、ふっと自嘲的に笑う口元。今までに見たことない雨音の様子に、誰もが固まった。
ブラック雨音、初光臨。
………ちなみに、お手本は弥生だとか。
「さよーならー」
「っ…待て雨音！一つ、一つだけうまくいく方法があるかもしれねぇっ」
「………ホント？」
「あ、ああ」
「ほっほぅ、ヤッタネ。それは何ですかぃ？」
(わー結構計算高いんとちゃうかー？)
遠い目をする睦月だが、嬉しそうな顔をする雨音を見て可愛いと思ってしまうのは、惚れた弱みなのだろうか？
皐月も引き留めれたことに安心安心。
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