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「ククッ、んなにしたきゃ、もっとすげぇお願いしてみろよ」


「あ、アカン!雨音、惑わされちゃアカンでっ」


「む…でも理科室……」



 睦月に後ろから抱き締められ、唇を尖らせる雨音。
 もう興味がなくなったのか、弥生は優雅に紅茶を飲んでいた。


 チクタクチクタク、
 考える時間が過ぎていく……なんてことはない。
 目的達成のためなら水無月雨音、何でもします。



 ……ということで。



「理科室使わせろ、皐月」

──チュッ


「……言い方が可愛くねぇな、やり直しだ」


「ふむ…使わせて、さっちゃん」

──チュッ


「おしいな、そこは口に、だろ?」


「お、失礼しやした。んじゃもう一回…」


「ってアカーン!何やっとんねん!あんたもエエ加減にせぇやっ」



 ほっぺにチュッ。
 ほっぺにチューッ。


 わなわなと震えた睦月は、口にしようとした雨音を引き剥がし、ゴシゴシと口を拭いた。

 痛がる雨音、不機嫌になる皐月。




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