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「うぅぅぅーん」
「「…………」」
「うぅーうぅーん」
「「…………」」
「うぅぅ 「ウザイんだけど」……うぅーん」
「おぁ、弥生のオーラにも気づかへんやなんて…どうしてもうたんや雨音ぇえ!」
ガクガクガクーと肩を揺らす睦月。
だがひたすら唸る雨音。ここ何日、こんなやりとりが続いただろうか。
……はい、雨音がついに壊れました。
事の発端は、数日前の科学の授業が始まる前のこと。
楽しそうに教科書を見ていた雨音の動きが、ピタリと止まったのだ。
『………雨音?』
『うむ……』
『なんや、納得いかへんことでもあったんかいな』
『あのね、魚とかカエルの解剖がどこにも載ってないんだけど…載せ忘れたのかなーと思って』
『やらないからに決まってるじゃん、解剖なんて』
それを聞いたときの雨音をぜひ見せてあげたかった。そりゃもう、ガビーンと口を開けて固まったのだ。
ガビーン、ガビーン…とエコーするくらい、ショックを受けたのだ。
だって解剖好きだもの!
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