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「飽きたって…飛行機はどうすんの?」
「それなら大丈夫なのだよ。ネットで手に入れたのだよ」
「「はあ!?」」
「おお、揃った。仲よしこよし」
「仲よしちゃう!やったら何でゆうてくれへんねん!」
「………む、忘れてやした」
スマンスマン、と片手をあげて謝る雨音。あまりの理由にみんな唖然だ。
……が、雨音の中ではもう決定事項なため、鼻歌を歌いながらそこを離れようとする。
「ちょ、待て!1人で行く気かっ!?」
「え、みんな行くの?」
「っ…あのなぁ…」
「……はっ、遅れてる!僕急ぐから。じゃ、また日本で会いましょー」
「ちょちょ、雨音っ!」
「雨音君!?」
何もつけてない腕を見て、走り去っていく雨音。
追いかけるみんな。
……あ、弥生以外。
(まだ着替えてないし睦月たちが行くでしょ?)
「雨音ー…っ、俺たちも帰るさかい、待ってぇな…ぁ!」
「大変大変。お土産買って観光地回って…ふむ、夜の便に間に合いますかな」
「きーいーてーくーれー…っ!!」
「マジで帰るつもりかあの野郎…!」
その通り。
すでに頭はスイスの観光と親へのお土産に移っている。そのために便は夜にしたのだから。
結局、雨音は立ち止まることなく行ってしまい、スイスには睦月たち4人だけが残ってしまった。
動物を返したりと、すぐに帰れないらしい。
「………ン、獣臭いですな…困った困った。……あ、この羊の肉美味しそう。卯月と食べよっと」
これが雨音の夏休みだエンドォオオ!!
100815.完
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