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「ふむ、Sは少ないんですね」


「うん、SとDは特別だから。あ、でもDと一緒にしちゃいけないよ」


「トップとドベって聞きやした」


「………それ、Dには言わないでね」



 睨まれるじゃ済まないから。校舎も少し離れてあるのだ。

 みんな恐れている。



「いよいよ始まるのですねっ!ボク、トッテモ楽シミ」


「そうは聞こえへんわ」



「睦月……きっと気にしたら負けだよ」


「………せやな」



 背が小さいため前が見えず、その場でピョーンピョーンと飛び跳ねる雨音。


 周りの視線に気づかないのか、気にしてないのか、とにかく肝が据わっている。



(それにしても僕より小さいなんて嬉しいじゃん)



 ニッと弥生が笑った。
 周りの温度が2℃下がる。


 そしてうるさいまま式は始まった。教師陣もこれに慣れてるのか、静止もせずに進めるため、雨音もキョロキョロとしていた。





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