14
「ふむ、Sは少ないんですね」
「うん、SとDは特別だから。あ、でもDと一緒にしちゃいけないよ」
「トップとドベって聞きやした」
「………それ、Dには言わないでね」
睨まれるじゃ済まないから。校舎も少し離れてあるのだ。
みんな恐れている。
「いよいよ始まるのですねっ!ボク、トッテモ楽シミ」
「そうは聞こえへんわ」
「睦月……きっと気にしたら負けだよ」
「………せやな」
背が小さいため前が見えず、その場でピョーンピョーンと飛び跳ねる雨音。
周りの視線に気づかないのか、気にしてないのか、とにかく肝が据わっている。
(それにしても僕より小さいなんて嬉しいじゃん)
ニッと弥生が笑った。
周りの温度が2℃下がる。
そしてうるさいまま式は始まった。教師陣もこれに慣れてるのか、静止もせずに進めるため、雨音もキョロキョロとしていた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!